2017年3月19日、盲学校の親と教員が中心となって盲重複児・者のこれからを考える会ポコアポコを発足し、事業所設立に向けて運動を始めました。2018年4月には生活介護事業所アンダンテを立ち上げ、盲重複児2名での活動が始まりました。2019年、アンダンテ開設1周年を迎えると同時に社会福祉法人 長良福祉会に仲間入りし、アンダンテは再スタートを切ることになりました。安定した土台を築いて地域で根づいていくために、社会福祉法人長良福祉会の理想を胸に刻んで、歩き出せたことはとても幸運な出来事でした。長良福祉会の皆様にも心から御礼申し上げます。あれから、7年が過ぎ、現在は視覚障がいにこだわらず、入所したいという希望に沿って15名の利用者さんが通っています。
盲学校の卒業生は遠方の方が多く、近くにグループホームが必要です。2020年、共同生活援助オレンジホームを開設し、現在5名が生活しています。視覚と知的障がいに特化した岐阜県では唯一のグループホームとなりました。5年が過ぎ、地域での豊かな生活を目指す一方で様々な課題も出てきています。
この間、いろいろなことがありました。コロナ禍で授産品が全く売れなくなってしまったり、地域との交流ができなかったり、次々に感染が広がったり、、、と困難の連続でした。一方、利用者さんは、毎日が笑顔の連続。意欲的にいろんなことに挑戦してくれました。
やりたいことを出し合い、話し合いで活動を決めていきました。近くの天然温泉にいったり、年1回は必ずある一人一人の誕生日をスペシャルデーとしてみんなでお祝いしたり、ウォーキングで山歩きをしたり、旅行に行ったりと、ここに紹介しきれない沢山の活動を体験することができました。そして、恒例の活動として日課や行事予定表にも位置づいてきました。
また、働くことでお金をもうけ、社会とつながろう!と利用者さん中心に作業も頑張りました。アンダンテクッキー作りや手織り作業はすっかり定着しました。地域の筋トレ教室にも参加し、販売を行う内に楽しみにしてくださる人も増えました。近郊でのバザーや市役所での販売、地区の文化祭での出店、社会福祉協議会等のご支援の基、徐々に地域に根づいてこれたことは本当にうれしいことです。
春と秋に行うポコアポコ・アンダンテ祭りには100人以上の地域の方で施設がいっぱいになります。沢山のお店を出店してくださる保護者の皆様にも心から感謝しています。
少しずつの小さな1歩から始めようと「ポコアポコ」という会の名前が付けられ、ゆっくり歩いていきましょうと「アンダンテ」という事業所が誕生しました。さらに仲間を増やして、かけがえのない人生が豊かなものになるよう、利用者さんを中心に支援する人の輪が広がっていくことを願っています。
アンダンテ・オレンジホーム担当理事:渡邉美輝子